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【軽井沢別荘管理部日誌】これからの季節に備えて 浄化槽編

別荘管理部が一緒にお仕事させていただいている各業界のプロに軽井沢での別荘ライフに必要不可欠な情報を伺い、発信していくコーナーです☆

これからの季節、浄化槽の相談が多くなってきます。そこで、浄化槽の手入れのプロ「吾妻浄化槽管理センター」の金子さんに浄化槽についてインタビューしました!

なぜ軽井沢には浄化槽が多いのか?

橋本:「軽井沢の別荘においては、公共下水でなく浄化槽が設置されている物件が多数ありますが、この”浄化槽”という設備をご存じない方もいらっしゃいます。そもそも浄化槽とはどういったものなのでしょうか?」

金子さん(以下敬称略):「簡単に言えば建物で使用された水が配水管を通って建物外に出て、その排水が入るのが浄化槽です。また、浄化槽で家庭で使われた排水を自然環境に戻せるように処理する装置です。」

橋本:「公共下水との違いは?」

金子:「下水道というのは、一つの地域の排水を集中して処理場に集めて、一括で処理している装置です。浄化槽は各建物ごとに処理槽がついているため、個別処理になります。」

橋本:「なぜ軽井沢には浄化槽が多いのでしょうか?」

金子:「別荘地は私有地の部分が大きいことや山岳地域なので、公共のものである下水配管が通せない箇所が多いことが原因のひとつとおもわれます。」

橋本:「浄化槽は設置されていればそれでよい、というものでしょうか?」

金子:「いえ、ただ設置されているだけですと、本来の能力は維持されません。浄化槽の内部はいくつかの層に分かれていて、それぞれに役割と処理工程があります。それをすべて処理工程を経ることによって処理水質を保っていますので、それらがすべて正常に保てなければ良好な放流水が得られません。その調整や機能確認のため保守点検が必要です。」

橋本:「保守点検は具体的にどのようなことを行うのですか?」

金子:「浄化槽で処理を行った放流水の現場で出来る簡易的な水質検査、各処理機能、付帯機器の点検、汚泥の堆積状況の確認を行い、状況に応じた調整を行います。放流水は消毒をすることが義務付けられているので、消毒薬の補填なども行うことが保守点検です。」

 

浄化槽の臭いについて

橋本:「暖かくなってくると、浄化槽の近くが少し臭ったりすることもあると聞いたことがありますが、これはどのようなことが原因なのでしょうか?」

金子:「臭いの原因は、ほとんどが浄化槽内の排水中の有機物が腐敗することによって出ています。軽井沢町の場合、冬期外気温の影響で水温が低下します。腐敗臭は水温に影響を受けやすく、春先になると水温が上がった時に臭いが強く出やすいということが現象としてあります。」

橋本:「正常に管理されていても、臭いが出ることがある、ということですか?」

金子:「浄化槽内には常に排水が溜まっているものですので、正常な状態であっても若干臭いがする場合があります。冬の間使われない方も多く、春先に利用が再開することで急に排水量が増えるため処理が間に合わず臭いが出るというケースがすごく多いです。あとは送風機、いわゆるブロアーという機械ですが、それが壊れていて処理が止まっていることも臭いの原因です。また浄化槽内の堆積物が多くなりすぎていて、そのせいで臭いが出ていることもあります。」

 

浄化槽に油は厳禁!

橋本:「浄化槽を管理している中で、困ることなどありますか?」

金子:「一番困るのはたくさんの油が流されることです。料理などで使った油は基本的にふき取ってごみとして捨てていただくとおもいますが、それがそのまま流されてしまう場合があります。あとはトイレットペーパーの使い過ぎです。両方共浄化槽に対して負荷が高いものです。」

橋本:「負荷が高くなるとどのようになるのですか?」

金子:「油は浄化槽内で処理ができないので水質が悪化したり、早く汲み取りをしなければならなくなったりします。一度の汲み取りで大体3万円程度かかりますので、油を流すことによって逆に高くついてしまうことがありますのでお気を付けください。」

 

冬に備えてのワンポイントアドバイス

橋本:「これから冬になります。別荘においては気を付けた方が良いことなどありますか?」

金子:「建物によりますが、メインブレーカーを落とされる方が多くいらっしゃいます。ブロアーの内部にゴムの弁を使っていますので、止まっていることによって冬のあいだにゴムが硬化して、次に電源を入れた時にゴムの弁が破損しやすくなります。ブロアーが止まっていると浄化槽内部の水が腐敗してしまうので、回し始めたときに臭いが出やすくなります。できればメインブレーカーは上げておいて、使用しないブレーカーは落としていただくとよろしいかとおもいます。」

橋本:「本日はお忙しい中ありがとうございました。」

 

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