歴史ある追分宿にある五感を使って美味を感じる空間で、ピザなどの薪窯料理をいただく
もともと、食べることが好きだったという建築家の今井正さんが、2001年軽井沢にオープンさせた「エンボカ」。スペインで生ハムづくりを学んだ経験から「生ハムをピザに乗せたら美味しいのでは」という発想が生まれ、軽井沢にあった別荘の庭にピザ窯を作り、ピザを焼いて食べたところとても美味しかったというのが、このお店が誕生したきっかけです。

エンボカではピザに野菜をのせて提供し、これが当時は珍しく、人気となりました。塩沢で開業し、2012年に旧軽井沢へ移転しました。その後、正さんは引退し、娘の今井ほのよさんが後を継いで2024年6月に追分の旧中山道沿いに移転・オープンさせたのが今のお店です。「エンボカ」とはスペイン語の「エン(中)」と「ボカ(口)」を合わせた言葉で「お口の中へ」「口伝え」という意味。美味しいものを美味しいタイミングでじっくりと味わってほしい、そんな願いも込められています。

追分を選んだ理由は、和のテイストが残る建物に魅力を感じたから。お店の中にはその日に使用する生の野菜や、料理素材を飾っています。使用するテーブルや椅子、食器などの小物も手作りで、自然のあたたかさやぬくもりが感じられる空間に。「お店が移るたびに内装は変わりますが、エンボカらしさが残っているのは、前オーナーが物づくりの人で、色々な物を手作りで作り上げてきたから」と、ほのよさんは語ります。


提供されるのは、完全予約制のコース料理のみ。使用する野菜はシェフが毎朝畑に行き使う分を採って来ているので、新鮮なものを提供できる、フードロスの軽減に繋がるといったメリットが多いそう。また、完全予約制・コース料理といった形態にすることで、お客様が来店された時の表情をしっかり感じることができる接客をしたり、ひとつひとつの料理についてお客様に説明し、こだわりを感じながら味わっていただけるようにしています。
開業時からの大切にしたいことを守りながら、時代の流れに柔軟に対応して進化し続けているエンボカ。軽井沢で二十余年、京都にもお店があり、多くのスタッフが育ちましたが、独立した人たちは今もエンボカの家族として繋がっています。「追分のお店はスタートしたばかりなので、新しいチャレンジをぜひ体感していただきたい」「エンボカとしてしっかり根を張り、次の世代と共に邁進していきたい。これからも若手を育てていきたい」とほのよさん。スタッフとお客様が変化していく様子を互いに楽しんでいる、そんなお店です。
エンボカ追分
090-5758-1881
軽井沢町追分641-2
18:00~(コース一斉スタート)
月・火曜日
有
※予約はホームページから


