軽井沢のお料理宿「くつかけステイ 中軽井沢」の姉妹店が新軽井沢にオープン
落ち着いた和の雰囲気の中で味わう健康和食
目次
本格的な和食を
カジュアルに五感で楽しむ
堀口 まずは「五感」さんの由来を教えてください。
古浦文さん(以下敬称略) 「五味五感」という五つの味、五つの感覚というところから取っております。身体に良い、英語で言えば「ウェルネス」ということが最初のコンセプトだったので、季節に合ったいろいろなものを偏りなく取って、体の中から元気になりましょうという。偏りなくというところで、「五味五色」であったり、「陰陽五行」であったりということを意識して一緒に召し上がっていただく。
堀口 コンセプトは「軽井沢のウェルネス割烹」ですね。
古浦 本店(くつかけステイ中軽井沢)が和食メインなので、そこを継ぐような感じで。本店よりカジュアルなので、お肉などいろいろなものを幅広く取り入れて、バランスよく食べていただきたいなと。
間形充さん(以下敬称略) 大きなチーズを削ってサラダに掛けたり、お通しにサーモンのマリネを出したり。それって和食ではちょっと…という感じですよね。くつかけステイのブランドにもそぐわない。じゃぁどうしたら…という時に、「和ビストロ」という形でなんでもやれるお店を社長が考えてくださって。和食という括りに囚われず、いろいろな食材や調理法を取り入れてお出しできるのは、料理人としてもすごくいい環境です。
▲ダイナミックに仕上げる信州プレミアム牛わら焼き。ポン酢やわさびおろし、自家製の南蛮味噌と一緒に食べると藁の香りと相まって絶品です。
堀口 軽井沢は世界中を周られている方も多いので、そういった型にはまらない柔軟さを楽しまれているのかなと感じます。他にこだわりなどありますか?
間形 僕はどちらかと言うと、肉じゃがとか家庭で出てくるようなお惣菜をお出しするのが好きで。おばあちゃんが炊いた煮っころがしとか、すごく美味しいじゃないですか。それをちゃんとここで一から出汁を引いて作っているだけで。そのものが美味しいので、それを引き立てるように調理しているだけなんです。野菜の花かごなどはメニューを固定しないで、その日手に入った食材を料理に落とし込んでいます。例えば、佐久市の長者原で、無農薬で野菜を育てている若い農家さんがいるのですが、手をかけて育ててもサイズや無農薬ということが規格外で、売れる流通経路が獲得できないと。そういう方と提携して、「今日は小松菜持っていきますよ」と言われたらそれを料理に落とし込んで。野菜をたくさん食べて欲しいので、ランチは野菜の花かごありきでメニューを作っています。でもそれだけでは足りないので、くつかけステイでも人気のバラちらしや地粉100%の手打ちそば、金目鯛の煮つけなどとセットにしてお出ししてます。
間形 野菜の花かごは(上から反時計回りに)まずサラダ。次に薯蕷羹(じょうよかん)と言って、長芋をすって出汁を入れてギュッとよせたもの。柿の白和え。上に乗っているのはクルミです。香の物、ピーマンのしらす和え。次はくり麩なんですけど、よく京都などで鍋に入っている生麩を田楽にしたものです。小松菜のごま酢味噌掛けと真ん中はキノコの茶わん蒸し。
堀口 野菜の花かごだけでも結構なボリュームがありますね!いろいろ食べれて満足感があると言いますか。
古浦 そうですね、この花かごでも先ほどの「五味五色」に近付く所があると思います。
冬に向けてのメニュー
信州地物食材へのこだわり
堀口 薬膳や漢方を取り入れているとHPに書かれていましたが。
古浦 薬膳スープで煮たキャベツなどを花かごに入れたり、夜のお通しに出したりしています。これから寒くなるので、薬膳鍋などもやっていきたいという話は出ていますね。全部が薬膳ではないですが、冬に向けては他にも、火鍋やふぐちりもお出しできればと思っています。
間形 カウンターに置いてある高麗人参は、この辺りでとれたものを乾燥させているところです。野菜とか魚とか、なるべく地物を使った方が良いですから。
堀口 そこまで自家製なんですね!お酒も地元のものを置いているんですか?
古浦 長野市や佐久市、飯田市、諏訪市を中心に、日本酒や焼酎を置いています。軽井沢の「こてさんね」という芋焼酎も、近県から来られる方など結構敏感に反応してくださいます。長野県では農産物や地酒など数多くありますので、ちょっとずつ紹介できたらいいなと。そういうものを食べたいと思って来てくださる方も多いと思っています。
堀口 長野県の美味しい食材を使った健康的な和食、ぜひ皆様にご賞味いただきたいですね。
▲夏場に緑色の野菜だけ揃えて「緑一色」という名前で出していたサラダを秋の色合いに。りんごのドレッシング、バルサミコ酢、ベーコンのドレッシングをお好みに合わせてメリメロ(ごちゃまぜ)スタイルで。
▲卵や出汁と相性の良いトリュフを出汁巻にした、人気の逸品。トリュフのオイルと胡椒を混ぜ、隠し味に醤油を加えた大根おろしでいただく。持って帰りたいというお客様のご要望でテイクアウトもできるので、ご自宅でも楽しめます。
▲入店して最初に目を引くのは、お店の真ん中に設けられたスペース。お神輿をイメージして飾り付けられた小部屋には、ラカンカという天然の甘味料で漬けてあるパイナップルなど、気になるものがチラホラ。今は熟成中とのことで、完成が楽しみです。
▲シックな雰囲気の店内に和の印象を与える組子細工の意匠。学生の方がデザインされた、繊細で現代的な美しいデザイン。
和ビストロ GOKAN-五感-
〒389-0102
軽井沢町大字軽井沢1146-1
☎ 0267-46-8913
11:30〜14:00(LO)
17:30~21:30(LO)
㊡ 月・火曜日(祝日の場合営業)