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軽井沢グルメ探訪記「CRESSON RIVERSIDE STORY クレソンリバーサイドストーリー旧軽井沢」

「東京ばな奈」のグレープストーンが手掛ける旧軽井沢のレストラン
川のせせらぎ 美しい苔庭と森の中で過ごすくつろぎのひととき

豊かな自然との共生
紡ぎ出す新しいストーリー

田中 お店の名前がすごく特徴的ですが、由来を教えていただけますか。

中井ゆき子さん(以下敬称略) 最初にこの土地とご縁を頂いた際に、グッと惹きつけられたのが、敷地境を流れる川なんです。代表が昔からこの土地をご存じの方々に「川にいっぱいクレソンが自生していて、子供の頃に採りに行ったんだよ」と伺い、この川を“クレソンリバー”と名付けて。それだけ自然豊かで美しい川も携えたこの土地で、自然を守りながら小さな商いをさせていただけたらいいなというところと、その横で紡ぎ出す新しいブランドというところで“サイドストーリー”。また、中山道沿い「旧軽井沢」というこの場所は、古より宿場町として栄え、その後は保養地、避暑地として多くの人を癒し、魅了し続けた特別な地であるという思いで「クレソンリバー サイドストーリー 旧軽井沢」とさせていただきました。

田中 そこに既にストーリーがありますね。他にコンセプトとかありますか?

中井 庭の古木が朽ちて倒れ、洞穴ができて、そこに動物たちが住み始めた…というようなデザインコンセプトがありました。旧道側の入口がその名残で洞穴のようになっていて、森の中で川のせせらぎ、美しい苔庭と木々。旧軽井沢で自然と共生していきたいという思いで、そこにあった木を一本も伐ることなく建物を建てています。

田中 自然環境を守りながらというのは、時代に合ったコンセプトですね。

中井 何かのワードに合わせてということはしていないのですが、結果的に時代が今求めているSDGsなどに寄り添っていますね。食品ロスをできるだけ出さないとか、緩衝材を必要最小限にするとか、まさにこれから未来に何を残せるかというところは、何を考えるにしても大事にしている点です。

田中 お料理に関してはいかがでしょうか。

中井 本当にこれはお客様に安心と安全と美味しさを約束できるものか、必ず一度検証します。弊社には品質を管理・保証する部門があるのですが、そこで調味料も含め全部チェックして、OKが出たものしかここには入れてはいけないということになっているので。もちろん旬の果物とかお肉とか、その時に入荷したものをシェフの目利きでは入れていますが、写真を送ってすぐに検証してもらっています。アレルギーなど本当に深刻にお持ちの方が多いので、携わった責任を厳格に守るようにしています。美味しさを提供するという部分では、信州の素材をふんだんに活かすこと。こちらにきてしみじみ思うことは、果物や山の幸、お野菜などの自然の恵みが豊富なので。特に果物やお野菜は、東京など他のところでは表現しきれない素材だと思っています。シェフたちが嬉々として扱いたい素材があまりにも多く、それをお客様にも喜んでいただくために最大限の調理法を工夫する。そこはこれからもこだわっていきたい部分ですね。

素材の持つ力を活かした
その日その年出会える奇跡

田中 今後のメニュー開発は、四季がテーマになっていくイメージですか?

中井 軸としては四季折々というのはあると思いますが、さらにタイトに、ある日突然市場で出会う食材を使うお料理が出てくると思います。「今日のシェフのひらめき」といった感じで。

田中 一期一会といった感じですね。その中でも看板料理などはありますか?

中井 ハンバーグシチューがとてもご好評をいただいております。あとはアフタヌーンティーが特に女性の方に人気です。また、シードルやシードルワイン、りんごソーダ、ぶどうソーダは、全て長野の素材を使用した、ここにしかないオリジナル商品です。東御市のワイナリーで栽培から醸造までみっちり学び、自社商品を作るに至りました。「リンゴとブドウを一緒に発酵させた新しいお酒は出来ないか?」という代表の発想をもとに誕生したのが、2018年の「シードルワイン」。翌年は3種のリンゴを使ったスッキリとした「シードルブラン」、赤果肉リンゴを使った酸味が特徴的な「シードルロゼ」。黒ブドウとリンゴのブレンド比率にこだわった「シードルルージュ」を製造。その年は千曲川の台風被害があった年で、被害に遭われた農家の方々からお預かりした大切なリンゴをきちんと生かし、余すことなく使わせていただくことを念頭に。製造計画を変更して、ご縁を頂いたリンゴでソーダにしたり、お菓子の原料にしたりいたしました。菓子製造で心がける「同じ味をいかにブレなく作るか」とは違う、「その年その風土で育まれた自然の恵み、そのパワーをいかに引き出し表現するか」という世界なのだと学びました。自然と寄り添い、向き合って、今私たちに出来ることは何かを考え続けることが大切なんだなと思います。

「いずれはこの場所で採れたクレソンを使ったひとさらをご提供できたらと思っています。」と中井さん。10月からはコースメニューをアラカルトで気軽にお楽しみいただけます。

田中 それこそまさにストーリーがありますね。来年のゴールデンウイーク頃にグランドオープンを予定されているということで、楽しみにしております!

▲2階のギャラリーにはオリジナル絵本「CRESSON RIVERSIDE STORY」の原画を展示。ティーセットなども作家が絵付けをした世界にひとつだけのオリジナル。

▲洞窟のような入口の先はワインセラー風に。

▲敷地内のクルミをリスが毎日食べにくる姿に、思わず「可愛い!」と癒されているとか。苔庭にはそんな落し物が点々と落ちています。


CRESSON RIVERSIDE STORY クレソンリバーサイドストーリー旧軽井沢
〒389-0102
軽井沢町大字軽井沢680-1
☎ 0267-46-8037
11:30〜21:00(完全ご予約制)
㊡ 不定休※注

注)年末年始は12/31・1/1・1/5を除き営業。冬季休業は1/11~3/17予定
※詳しくはhttps://www.cressonriver.jp/