ホーム > ピックアップ記事 > 軽井沢健康ライフ「児童養護施設 軽井沢学園」

軽井沢健康ライフ「児童養護施設 軽井沢学園」

追分の西部小学校の向かいにある児童養護施設”軽井沢学園”さんと「学園の子ども達が不安な気持ちを少しでも減らし、旅立てるように温かいエールを送りたい・・・」という気持ちから始まった後援会”軽井沢学園を応援する会”さんをご紹介致します。

軽井沢駅前店 店長
泥谷 和範
軽井沢学園 施設長
小宮山 英一さん
軽井沢学園を応援する会 会長
小野 範子さん

児童養護の現状
地域の方々の温かい支援

泥谷 私も軽井沢に来て20年近くになるのですが、お恥ずかしい話、学園のことを知りませんでした。今移住の方が増えており、我々のお客様も別荘の方が多いので、地域の方に学園をより知っていただくことも含めて、そういった方々にお知らせできることがあれば良いのかなと思っておりました。

小宮山英一さん(以下敬称略) 施設的に“児童養護”という形になりますので、率先してPRをするということは行っていないのですが、昔と違って、全国的に我々のような社会福祉施設は地域にできるだけオープンにしよう、いろいろな人たちとの関わりを求めていきましょうという考えに変わってきています。学園のHPも少しずつですが、ホットな情報を載せる方向に変えております。

泥谷 長野県にはどれくらいこのような児童養護施設があるのですか?

小宮山 児童養護施設は長野県には14ヶ所、東信では長野県の子どもを対象とした施設は上田の原峠にある「森の家 はらとうげ」さんと軽井沢学園の2ヶ所あります。施設では、子ども達の個々の境遇に対して、社会的に自立させることを日頃行っております。施設に入ってきたときは自己肯定感が低くて心の問題を抱えた子ども達が、施設で一般的な家庭でやっているような生活を習慣付けていく中で、周りの人との関わりを大事にする。裏切られても親を信じるという気持ちと、話をしても親が理解してくれないという現実に苦しんでいる子ども達の話を、施設の職員はよく聞いてあげるということが大切です。そうすることで、時間は掛りますが凍った心を少しずつ溶かしてあげる。子ども達も常々、地域の人たちが応援してくれることを喜んでいますが、やはり心の中では親御さんと一緒に居られないことが精神的に辛いという部分が大きいです。

泥谷 施設の運営費用はどのような形となっているのですか?費用の面でも大変そうです。

小宮山 施設の運営は国の措置費から支出していただいており、子ども達の養育費になっておりますが、どうしても措置費の中では使い道や金額が限定されてしまう。例えば、子ども達が中学校に行くときに使う自転車は、限度はありますが措置費で見てもらえます。しかし、その自転車が壊れてしまったときに出してもらえる資金がない。そういうことに対して、“軽井沢学園を応援する会”(以下、応援する会)の皆さんから資金援助をしていただいております。

地域小規模児童養護施設
 「Casa 佐久花園」
地域里親家庭サポートセンター
 「スミール」

小野範子さん(以下敬称略) 応援する会は13年目ですが、私たちが“おやじバンド”というバンドを始めて、そこで軽井沢学園を紹介してみんなに知ってもらおうということが始まりでした。ここ数年は児童虐待などメディアでも取り上げられて話題になってきていますが、当時は誰も知らない。やはり状況を知っていただかないと、支援をしていただくことは難しいと思います。少しでも援助できるお金を集めるなど、具体的な応援ができないかということで、会を作ってライブを開催し、人を集めて宣伝をすることにしました。コロナ前までは佐久平駅の隣にあるミレニアムパークで、毎年結構大きな規模で開催しておりました。メインは軽井沢学園を知っていただいて応援していくという活動を佐久市長などを巻き込んで行っていました。

泥谷 知っていただくことは大切ですよね。応援する会では他にはどのような活動をされているのでしょうか?

小野 私たちとしては、先生達は親のように厳しい面もあると思うのですが、応援する会はおばあちゃんやおじいちゃんの立場でお手伝いできればと思っていますね。私は小規模グループホーム(地域小規模児童養護施設「Casa 佐久花園」)の方も3年程お手伝いしたのですが、そこで子ども達から話を聞くと、子ども達が抱えていることは思っている以上に重いです。そこもちゃんとわかりながら、ただ手伝ってあげるだけではなくて、まず話を聞いてあげて本当に必要としていることを手伝ってあげる。それも一時ではなくて、細くても良いから長くしてあげるということが大事かなと。最後には、「応援しているから、何か困ったら行動を起こす前に相談してみて」と伝えています。

小宮山 普段の課程の中ではどうしても鎧を着てしまう子ども達が、何気ないときに応援する会の方々にいろいろな話を聞かせてくれることによって、今その子がどのような状態なのかということを逆に職員が教えてもらうこともあります。施設の職員だけではなく、応援する会のいろいろな立場の方々、地域の方々が子ども達と関わりを持ってくださると、卒園したあと、例えば社会に出て困ったときに相談に行けるという場面もあると思います。また、卒園生を励ます会など開催していただき、卒園生も喜んでいます。

泥谷 学園を出た後でも支援が必要な子もいて、そういった子たちのためにもサポートできる体制というのは良いですね。例えば地元の企業がバックアップできることはありますか?

小野 就職口を提供していただくことですかね。アパートや社宅などが用意してあり、地域に根付くような就職先が見つかればよいのですが、なかなか現実は難しいです。マッチングの問題もありますが・・・。また、ここを卒園してからも困っている子が多く、コロナの問題もあって孤立してしまっている状況の中で、飲食店などにはフードロスがあればその子たちに送ってあげたいという呼びかけをさせていただきました。

泥谷 高校生を対象とした企業研修などいかがですか。

小宮山 自立支援として国の制度があり、ちょうど昨年の夏に生徒たちがいちごやお米の農家さんのところや電気工場などに行かせていただき、応援する会の方たちに大変お世話になりました。

泥谷 寄付をされたい方はどのようなものをどうすればよいでしょうか?

小野 食品であれば賞味期限が3ヶ月ほどあるもの、衣類や寝具などであれば未使用のものですと大変ありがたいです。宛先を「軽井沢学園を応援する会事務局」として送ってください。

泥谷 軽井沢学園さんでは里親制度の支援も行っているとのことですが。

小宮山 以前より、フォスタリング(里親養育包括支援)を行っておりますが、今年度から児童家庭支援センターをスタートしました。平成28年の児童福祉法改正で、「施設と国で養育をしましょう」から「地域で子育てをしましょう」と代わったことで、優先順位がその子の親族、里親さん、施設という順番に変化しました。施設だと定年がありますが、里親さんは子どもがいくつになっても家に行けば両親がいる。里親制度も措置を行うのは18歳までですが、いつまでも繋がりが持てる関係が必要であると考え、施設でのノウハウを活かして、里親になるための相談や手続きを教えたり、里親の元へいった子どもたちの相談や里親になった方のフォローをしています。

泥谷 最後に、この記事を読まれている方々にメッセージをお願いします。

小野 頭の片隅に応援の気持ちを持っていただければありがたいです。今年はイベントが再開できればと考えておりますので、その際はお立寄りください。

小宮山 日頃より大勢の方から温かいご支援をいただき、大変助かっております。通学している子たちに対して、困っていたらお声掛けをしていただくなど、”近所のおじさん、おばさん”のような寄り添った対応をしていただけたら本当にありがたいと思っております。施設でも課題は多くありますが、これからもよろしくお願い致します。


児童養護施設 軽井沢学園

経営:社会福祉法人 法延会 
〒389-0114 軽井沢町追分1341
tel 0267-45-1295/fax 0267-45-1341 
https://www.karuizawa-gakuen.jp/

軽井沢学園は、佐久地域唯一の児童養護施設です。
 ・基本的な生活習慣を身につけたこども
 ・自分に合ったライフスタイルで歩むことが出来るこども
 ・自分に自信を持ち自分を大切にできるこども
 ・思いやりと感謝の気持ちを持てるこども
を養育理念に、日々こどもたちの成長を見守っています。

*地域里親家庭サポートセンター「スミール」
養育里親の相談支援、各種研修をします。また、養育里親になって下さる方を探しています。

*地域小規模児童養護施設「Casa 佐久花園」
小規模な生活空間で、より家庭に近い生活支援を提供します。

★軽井沢学園の施設を一部ご紹介★

軽井沢学園は建物の老朽化のためお引っ越ししました。
昨年の12月に新しい園舎が完成し、2023年1月より新園舎での生活がスタートしております!

1・2:卒園する子が一人暮らしの練習をしたり、親御さんと生活を試すためのお部屋。アパートのような作りになっており、バス、トイレやキッチン、家電などが設備されております。3:軽井沢学園を応援する会など地域の方が子ども達と交流するための地域交流室。お話をうかがった日もキャンドル作りを予定されていたそうです。4:園内保育を行うための保育室。学園には、児童指導員や保育士の方がいます。5:養育スキルアップを目的とした研修などを行う研修室。6:布団なども用意してあり、4名まで利用可な子育て短期支援室。7:個室になる相談室。子ども達が一人になりたいときやクールダウンするためにも使用されております。

『GOENフェスティバル2023』 開催決定!!

日程 6月4日㈰ 10時〜16時
場所 佐久平駅横 ミレニアムパーク(雨天中止)

軽井沢学園も参加予定!
応援ライブやマルシェ、キッチンカー等楽しい催しを企画中とのことです。
皆様のお越しをお待ちしております★